<<<矯正歯科について>>>


<@はじめに>

患者さん自身のご希望があった場合、
あるいは、
医学的見地に基づいて当院から行った提案に、
患者さんが納得、同意された場合、

当院における医療行為の一環として
矯正治療が組み込まれることがあります。

総合的歯科治療の一環としての矯正治療を
当院で行うこともありますし、当院からみて
信頼のおける矯正専門医の先生に相談、依頼を
することもあります。



<A当院で矯正歯科治療を行う場合>

矯正治療は、ダイナミックに歯列全体の
形態を変化させるものばかりではありません。
ちょっと歯を動かすだけで、目的を達成するのに
十分な場合も 少なくありません。


矯正歯科治療は、今の歯の位置を
多少なりとも動かすわけですから、
当然 患者さんの歯への関わり方に大きく影響します。

矯正歯科治療は、あくまでも
総合的な歯科治療(あるいは予防)の一環であり、
矯正歯科治療が単独で成立することは
有り得ない
というのが当院の見解です。


ですから
「歯並びだけを治してほしい」
というご要望は、少なくとも当院では
お受けしておりません。

(補足)患者さんご自身が自分がかかる医院を
どのように選ぶかは、その方ご自身の判断だと思います。

ただ、老婆心ながら申し上げると
「私は歯並びだけを治したいから」と
矯正歯科の医院を広告やインターネット等で比較し、
ご自身で検討されるのであれば、
その医院が 矯正以外のこともやってくれるのか、
あるいは 矯正以外のことをやらないのであれば
自分の専門範囲外の分野について他院との連携を
きちんと取れているのか等も十分吟味されることを
お勧めします。

また、インターネット上の情報を眺める際
「ちょっと待てよ?これは第三者の感想を装ったものかもしれない」
とほんの少しだけでも考えてみてもいいのでは?
とも思います。

日本矯正歯科学会認定医か否かは、多少の目安にはなっても、
それが自分の身体を任せられるかどうかという
絶対的な基準になるのかは よくお考えください。

矯正歯科は、美容やファッションとは、異なります。
(そもそも「医療」は不確実な部分も多いのです)。


医療行為は リスクを伴うことも少なくなく
矯正歯科も その例外ではありません。

まず第一に、矯正の装置をつけること自体が
虫歯や歯周病の発生リスクを高めてしまいます。

また、無理に大きな力(短期間での無理な移動など)を
強いてしまった場合、歯根吸収や歯槽骨吸収を
起こしてしまうこともあります。

当院では 清掃性を考慮して、できるだけ装置はコンパクトに
また、歯根吸収などのリスクを考慮して できるだけ
無理に強い矯正力をかけないように 心がけております。


なお、矯正歯科治療は自由診療になります。
治療内容は患者さんによって異なりますから
一概には言えませんが、平均して30万円前後に
なります。




<B他院への紹介について>

当院での対応が難しいケースかもしれない、
と判断した場合は、当院では抱え込まず、
当院から見て安心できる他の医療機関を複数
推薦させていただきます。
その中から、患者さんご自身が選択された医療機関に
紹介状を書かせていただきます。


紹介先医療機関が 矯正専門の医療機関
(矯正以外の事を一切行わない医療機関)であった場合、
当院と紹介先医院との連携が非常に重要になってきます。
繰り返し述べている通り、矯正歯科は単独では成立しえないからです。

もし紹介先医院が提示された治療方針に
何か不明な点があった場合は 遠慮なく仰ってください。
かかりつけ医として、また、紹介元医院として、
当方から問い合わることもできます。


紹介先医療機関が矯正専門医であった場合
抜歯や 虫歯の治療を依頼されることがあります。
あります(いわゆる「逆紹介」)。
抜歯対象の歯が 矯正以外に抜歯の目的が見当たらない場合、
その抜歯は 原則 保険適用外となります。

なお、当院に通院されていた患者さんで
当院に何の相談もなく、ご自身の判断で
矯正専門の他院に通院されていた場合、
大変遺憾ですが当院では満足なフォローができない場合も
あります。予めご了承ください。




<C矯正歯科が健康保険適用になる場合について>

意外と知られていない事実なのですが
医学的に治療が必要とされるケースにおいては
健康保険が適用されることがあります。

以下にリンクを貼ってみます。

日本矯正歯科学会ホームページ
「矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは」



詳しくはリンク先を参照にしていただきたいのですが、
参考までに いち開業歯科医から見た 大まかな理解を
書かせていただきます。


(補足)
矯正歯科専門医で、口蓋裂治療などのチームの一員として
ご活躍の先生も少なくはありません。そういう医療分野も
あります。ここでは、市井の開業歯科医が遭遇する
ケースについて述べてみます。



市井の開業歯科医が遭遇する矯正歯科のケースは 矯正は、大きく分けて
@そのまま歯並びを並べるだけで目的達成できるケース
A永久歯の抜歯(例えば第一小臼歯)が妥当とされるケース
B顎の骨を手術して、その大きさや形を変える手術を併用するケース
があります。

(補足)
抜歯を提案されても非抜歯で矯正する、あるいは
手術を提案されても手術なしで矯正する、等というケースは
当然ありうるでしょう。
また、同一患者さんであっても治療計画は一通りとは限りません。


この分け方をした場合、Bのケースが、健康保険適用となります。

手術が必要となるのか ならないのかという判断は
当院だけでなく より専門的な先生方の判断を仰ぐことに
なるでしょう。
当院から紹介を受けた矯正専門医から さらに別の医療機関
(顎の骨の大きさを変える手術ができる病院口腔外科)の
受診を提案されることもあります。

繰り返しになりますが、患者さん各々のケースに合わせて、
医療機関同士の連携を 常に意識して診療に当たります。




(追記)
患者さんご自身が歯並びに対してコンプレックスを
お持ちの場合、それを助長したくありませんので
美容目的での矯正をこちらから提案することは
一切ありません。
そもそも、多少歯並びが不揃いでも
魅力的なオーラを放っている人、
輝いている人、尊敬できる人は 世の中 たくさん
いらっしゃるのではないでしょうか?



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