2010年2月11日(木曜日・建国記念日)の朝9時〜夕方4時、 富山県歯科保健医療総合センターにて、富山県歯科衛生士会主催の 「摂食嚥下機能療法の基本技術」という研修会が行われたので 参加してきました。 |
「摂食(せっしょく)」とは、ものを食べることです。 また「嚥下(えんげ)」とは、ものを飲みくだすことです。 歯科医療は、口や歯を診る分野ですから、 この摂食機能を回復あるいは獲得させる治療において まさに大きな部分を取り扱うことになります。 ただ、今回の勉強会で取り扱うようなお話しは、 口から食べようと思えば食べられるような 比較的健常な患者さんの話ではなく、 口から物を食べることが非常に困難であったり あるいは口から食べることに危険が伴ったりするような、 比較的障害の強い方の治療を主な対象としています。 現在、当院でかかわらせてもらっている患者さんも 老いや病気などで摂食機能に 障害を持つ方が出てこられることも あるかもしれません。 また、そのような方の治療について当院が 相談を受けることも今後あるかもしれません。 そういう思いで、お話しを聞いていました。 ところで、この研修会では、飲み物に「とろみ」をつけて 実際に飲み込んでみるという内容で、参加者各自も実演を やらせていただきました。 |
上の写真のようなスティックに入った粉末を 飲み物に混ぜ合わせると、味はそれほど変化せずに 「とろみ」が出てゼリー状に変化しました。 液状のものを飲み込むことが危険な患者さんの場合、 とろみをつけることで飲み込みやすい性状になるわけですね。 大きくて固い野菜などの食材を細かく刻んだり、 ミキサーをかけて粉砕したりするのもそうですが、 飲み物は飲み物で、流れが良すぎるために 誤嚥してしまう危険があります。 口から食べることを諦めないための、様々な工夫ですね。 嚥下のリハビリテーションの話のほかに、 様々な食材の栄養の話もありました。 今回の研修会は摂食、嚥下の話と銘打ってありましたが、 その根底にある大きなテーマは、 健康であるためにはどうするべきか、 健康な食材を健康な口で食べることが大切ではなかろうか、 ということに集約されると思いました。 当院もまた、当地に根差して頑張っていこうと 思います。 |